・・・しかし自宅にいて黒い羽織を着て寒そうに正座している先生はなんとなく水戸浪士とでもいったようなクラシカルな感じのするところもあった。 暑休に先生から郷里へ帰省中の自分によこされたはがきに、足を投げ出して仰向けに昼寝している人の姿を簡単な墨・・・ 寺田寅彦 「夏目漱石先生の追憶」
・・・ique Garnier.)3) Lucretius, De Rerum Natura, with an English Translation by W. H. D. Rouse. (Loeb Classical Library.)・・・ 寺田寅彦 「ルクレチウスと科学」
・・・アンプレッショニストのような絵も描いている。クラシカルな、ルーベンスなどに非常に能く似たような絵も描いている。仏蘭西派であるが、あれを公平に考えて見ると、彼の人は何処に特色があるだろう。他人の絵を描いている。自分というものが何処にもないよう・・・ 夏目漱石 「模倣と独立」
・・・其一声の鶯は、東雲のクラシカルな藍と茜の色どりと相俟って、計らずも心のおどるような日本の暁の風趣を私の胸に送りこんだ。同時に、私は初めてほんとの鶯を聴いたような新鮮な歓びを感じた。――和歌や俳句の夥しい駄作で、こうも陳腐化されなかった太古の・・・ 宮本百合子 「木蔭の椽」
出典:青空文庫