・・・地上の分割に与るのは、それは学校を卒業したら、いやでも分割に与るのだ。商人にもなれます。編輯者にもなれます。役人にもなれます。けれども、神の玉座に神と並んで座ることの出来るのは、それは学生時代以後には決してあり得ないことなのです。二度と返ら・・・ 太宰治 「心の王者」
・・・とったくらい与るぞ。いいか。」 小さなこどもらはよろこんで、顔を赤くして押しあったりしながらぞろっと淵を囲みました。 ぺ吉だの三四人はもう泳いで、さいかちの木の下まで行って待っていました。 佐太郎が大威張りで、上流の瀬に行って笊・・・ 宮沢賢治 「風の又三郎」
・・・とったくらい与るぞ。いいか。」小さなこどもらは、よろこんで顔を赤くして、押しあったりしながら、ぞろっと淵を囲んだ。ぺ吉だの三、四人は、もう泳いで、さいかちの木の下まで行って待っていた。 しゅっこが、大威張りで、あの青いたんぱんを、淵の中・・・ 宮沢賢治 「さいかち淵」
出典:青空文庫