いとういっとうさい【伊藤一刀斎】
近世初期の剣客。生国は伊豆のほか諸説がある。名は景久。鐘巻自斎に師事し、のちに一刀流剣法を創始したといわれる。生没年未詳。
いとうえいのすけ【伊藤永之介】
[1903〜1959]小説家。秋田の生まれ。本名、栄之助。東北の貧しい農民の生活を共感を込めて描き、独自の農民文学を開拓。作「梟」「鶯」「警察日記」など。
いとうきさく【伊藤熹朔】
[1899〜1967]舞台美術家。東京の生まれ。築地小劇場以来、新劇を中心に舞台美術や映画美術を数多く手がけ、写実的装置を得意とした。舞踊家伊藤道郎の弟、演出家千田是也の兄。
いとうけいいち【伊藤桂一】
[1917〜2016]小説家・詩人。三重の生まれ。中国での軍隊生活を生かした戦記ものを叙事詩的な手法で描く。「蛍の河」で直木賞受賞。他に「悲しき戦記」「静かなノモンハン」「月下の剣法者」など。芸術院会員。
いとうけいすけ【伊藤圭介】
[1803〜1901]幕末・明治の植物学者。愛知の生まれ。東大教授。日本初の理学博士。シーボルトに師事。リンネの植物分類法を紹介する「泰西本草名疏」を著し日本の近代植物学の先駆をなす。著「救荒食物便覧」など。
いとうさちお【伊藤左千夫】
[1864〜1913]歌人・小説家。千葉の生まれ。本名、幸次郎。正岡子規に師事し、師の没後は根岸派を継承、「馬酔木 (あしび) 」「アララギ」を主宰。門下に斎藤茂吉・島木赤彦などがいる。歌集「左千夫歌集」、歌論「左千夫歌論集」、小説「野菊の墓」など。
いとうじゃくちゅう【伊藤若冲】
[1716〜1800]江戸中期の画家。京都の人。名は汝鈞 (じょきん) 、字 (あざな) は景和。若冲のほか、斗米庵の号がある。初め狩野派・光琳派および中国の名画に学び、写実的描写と特異な形態・色彩感覚による斬新な花鳥画を描いた。特に鶏の絵は有名。
いとうじんさい【伊藤仁斎】
[1627〜1705]江戸前期の儒学者。京都の人。名は維楨 (これえだ) 。古義学派の祖。初め朱子学を学ぶ。京都堀川に開いた古義堂は、門弟三千余人を有したといわれる。著「論語古義」「孟子古義」「童子問」など。古学先生。
いとうしんとく【伊藤信徳】
[1633〜1698]江戸前期の俳人。京都の人。貞門から談林風に傾倒。松尾芭蕉らと交流し、蕉風確立に影響を与えた。著「江戸三吟」など。
いとうせい【伊藤整】
[1905〜1969]小説家・評論家。北海道の生まれ。本名、整 (ひとし) 。ジョイスの「ユリシーズ」、ローレンスの「チャタレイ夫人の恋人」を翻訳紹介。新心理主義文学を唱えた。小説「鳴海仙吉」「火の鳥」、評論「小説の方法」「日本文壇史」など。