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・・・ 霊廟の土の瘧を落し、秘符の威徳の鬼を追うよう、たちどころに坊主の虫歯を癒したはさることながら、路々も悪臭さの消えないばかりか、口中の臭気は、次第に持つ手を伝って、袖にも移りそうに思われる。 紫玉は、樹の下に涼傘を畳んで、滝を斜めに・・・
泉鏡花
「伯爵の釵」
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・・・ 村の水天宮様の御威徳を説く時の顔つきである。「ほほほ」「おもしろいな、それは」「そんなら食べなんすか」「食べるよ」「じゃ、よかった」と、またあちらへすたすたと、草履の踵へ短い影法師を引いて行く。 鳩は少しも人に・・・
鈴木三重吉
「千鳥」