扇忌忌し
《漢代、班婕妤 (はんしょうよ) が、秋風が吹くと捨てられる扇に自分をたとえて「怨歌行」を作ったという「文選」の故事から》扇は男女の仲にとって不吉だということ。「名にし負はば頼みぬべきをなぞもかく—と名づけそめけむ」〈古今六帖・五〉
扇を請ける
芸事などで、奥義伝授の証 (あかし) として、その流儀の扇を師匠から与えられる。
扇を鳴らす
1 案内を請うとき、扇を打ち鳴らして人を呼ぶ。「一夜の戸口に寄りて、—・し給へば」〈源・総角〉 2 扇を手で打って歌などの拍子をとる。「あるいはうそぶき、—・しなどするに」〈竹取〉
おうぎあみ【扇網】
扇形に開く網。四手網 (よつであみ) の類。
おうぎあわせ【扇合(わ)せ】
平安時代に行われた物合わせの一。左右の組に分かれて扇を出し合い、その趣向の優劣を判者が判定して勝負を決めた。
おうぎいか【扇紙鳶】
扇形の凧 (たこ) 。おうぎだこ。
おうぎうり【扇売り】
1 近世、夏に扇の地紙を売り歩いた商人。注文があると、その場で紙を折って扇を作った。地紙売り。 2 近世、江戸で、元日未明から年玉用の扇を売り歩いた商人。
おうぎおとし【扇落(と)し】
1 「投扇興 (とうせんきょう) 」に同じ。 2 能で、扇を落としてそれを拾い上げる演技の型。
おうぎおり【扇折り】
地紙を折って扇を作ること。また、その職人。
おうぎがき【扇垣】
アシや竹などで、建物や塀の端に扇形につくった垣。