しぜんさいがい【自然災害】
台風・地震・火山噴火など、異常な自然現象が原因となって起こる社会的、経済的な被害。⇔人為災害。
しぜんさいむ【自然債務】
債務者が自ら進んで債務を弁済すれば有効な弁済となるが、債権者からは履行を訴求できない債務。債権について消滅時効が完成し、かつ債務者が裁判上時効の援用をした場合など。
しぜんし【自然史】
1 人類発生以前の自然界、または人間以外の自然界の発展の歴史。自然界を人間の存在に関係あるものとして、歴史的な意味を与える考え方による概念。 2 マルクス主義で、自然を弁証法的に発展するものとして歴史的にとらえる概念。社会の発展も人間の意志や意識から独立した法則によって発展する自然史的過程として理解される。
しぜんし【自然死】
外傷や病気によるのではなく、加齢現象が進み、老衰によって死亡すること。
しぜんしゃかい【自然社会】
血縁または地縁によって、個人の意志や目的と関係なく成立している社会。→人為社会
しぜんしゅうきょう【自然宗教】
1 自然発生的に展開した宗教。アニミズム・呪物 (じゅぶつ) 崇拝・自然崇拝などで、未開宗教・原始宗教といわれるもの。 2 神の恩恵に基づく啓示宗教に対して、人間の本性である理性に基づく宗教。理神論などの類。
しぜんしゅぎ【自然主義】
1 哲学で、自然を唯一の実在・原理として、精神現象を含む一切の現象を自然科学の方法で説明しようとする立場。 2 倫理学で、道徳に関する事象を本能・欲望・素質など人間の自然的要素に基づいて説明する立場。 3 文学で、理想化を行わず、醜悪なものを避けず、現実をありのままに描写しようとする立場。19世紀後半、自然科学の影響のもとにフランスを中心に興ったもので、人間を社会環境や生理学的根拠に条件づけられるものとしてとらえたゾラなどが代表的。日本では明治30年代にもたらされ、島崎藤村・田山花袋・徳田秋声・正宗白鳥らが代表。→リアリズム文学 4 教育学で、人間の自然の性情を重んじ、その円満な発達を教育の目的とする立場。ルソーの提唱。 [補説]書名別項。→自然主義
しぜんじょうぞく【自然上蔟】
養蚕で、蚕が繭を作る段階になったときに、蚕座の上に蔟 (まぶし) を置き、人が手で拾わないで自然に移動させること。
しぜんしょうにん【自然承認】
国会で、予算の議決、条約の承認、内閣総理大臣の指名について、衆議院の議決から一定期間内に参議院が議決をしないとき、衆議院の議決を国会の議決とすること。自然成立。
しぜんしょくせい【自然植生】
人為的な影響をまったく受けず、自然のままに生育している植物の集団。代償植生に対していう。