[名]
  1. 山や川、草、木など、人間と人間の手の加わったものを除いた、この世のあらゆるもの。「―に親しむ」「郊外には―がまだ残っている」

  1. 人間を含めての天地間の万物。宇宙。「―の営み」

  1. 人間の手の加わらない、そのもの本来のありのままの状態。天然。「野菜には―の甘みがある」

  1. そのものに本来備わっている性質。天性。本性。「人間の―の欲求」

  1. 哲学で、

    1. ㋐他の力に依存せず、自らの内に生成・変化・消滅の原理を有するもの。

    2. ㋑精神とは区別された物質的世界。もしくは自由を原理とする本体の世界に対し、因果的必然的法則の下にある現象的世界。経験の対象となる一切の現象。

[形動][文][ナリ]
  1. 言動にわざとらしさや無理のないさま。「気どらない―な態度」「―に振る舞う」

  1. 物事が本来あるとおりであるさま。当然。「こうなるのも―な成り行きだ」

  1. ひとりでにそうなるさま。「―にドアが閉まる」

[派生]しぜんさ[名]
[副]
  1. ことさら意識したり、手を加えたりせずに事態が進むさま。また、当然の結果としてそうなるさま。おのずから。ひとりでに。「無口だから―(と)友だちも少ない」「大人になれば―(と)わかる」

  1. 《「自然の事」の略》もしかして。万一。

    1. 「都へ上らばやと思ひしが、―舟なくてはいかがあるべきとて」〈伽・一寸法師

  1. たまたま。偶然。

    1. 「礫 (つぶて) 打ちかけしに、―と当り所悪しくそのままむなしくなりぬ」〈浮・諸国ばなし・一〉

出典:青空文庫

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