・・・かかる甲冑を着けたものは少なくとも身の丈七尺くらいの大男でなくてはならぬ。余が感服してこの甲冑を眺めているとコトリコトリと足音がして余の傍へ歩いて来るものがある。振り向いて見るとビーフ・イーターである。ビーフ・イーターと云うと始終牛でも食っ・・・ 夏目漱石 「倫敦塔」
・・・この市長というは土地の名家で身の丈高く辞令に富んだ威厳のある人物であった。『アウシュコルン、』かれは言った、『今朝、ブーズヴィルの途上でイモーヴィルのウールフレークの遺した手帳をお前が拾ったの見たものがある。』 アウシュコルンはなぜ・・・ 著:モーパッサン ギ・ド 訳:国木田独歩 「糸くず」
出典:青空文庫