出典:青空文庫
・・・いかに古フォードがやすく買えて、労働者農民が電話、自動車をつかう率の高いアメリカでも、全国の経済が下降期にあって、農民の恐怖と、破綻を物語るスタインベックの「怒りの葡萄」がベスト・セラーズとなっているのが当時の社会の現実の面であった。ダイジ・・・ 宮本百合子 「現代史の蝶つがい」
・・・そして、スタインベックが旅行記をかいたように、その他ヨーロッパの誰彼が旅行記をかいたように、日本の作家には外国がかけないのであるというように云われた。 スタインベックの「ソヴェート旅行記」は魅力のある報告であった。そこには、一九二七―三・・・ 宮本百合子 「心に疼く欲求がある」
・・・の中に、スタインベックのソヴェト紀行をあげていた。社会主義的リアリズムは、労働者階級の勝利と社会主義社会への展望にたっているから、当然労働者階級の文学の創作方法であり、党員作家の創作の方法でありうる。けれども、たとえばスタインベックのダイナ・・・ 宮本百合子 「五〇年代の文学とそこにある問題」
・・・彼はそのとき、アメリカの作家としてスタインベック、フランス古典第一位にバルザック、つづいてフローベール、モーパッサン、スタンダール、メリメ、マルセル・プルーストらの名をあげた。バルザック研究がソヴェトの学者グリフツォフ博士によって行われてい・・・ 宮本百合子 「政治と作家の現実」
・・・などの作品で世界的なアメリカの作家スタインベックは最近ソヴェトを訪問して「鉄のカーテン」の彼方に温い血をもって勤労し建設し笑い悲しんでいる同じ人間の生活していることを発表した。その記事は日本の新聞にも出た。アインシュタインは何と云っているだ・・・ 宮本百合子 「平和への荷役」