い‐しゅ【意趣】
1 恨みを含むこと。また、人を恨む気持ち。遺恨(いこん)。「—を晴らす」 2 心の向かうところ。意向。「格調高雅、—卓逸」〈中島敦・山月記〉 3 無理を通そうとすること。意地。「二人はわざと—に...
き‐が【帰臥】
[名](スル)官職を退いて故郷に帰り、静かに生活すること。「故山、虢略(かくりゃく)に—し、人と交を絶って」〈中島敦・山月記〉
き‐しょう【記誦】
[名](スル) 1 記憶しておいて、そらで唱えること。暗唱。「今もなお—せるものが数十ある」〈中島敦・山月記〉 2 暗記して唱えるだけで、理解したり実践したりはしないこと。「—の学」
きょう‐はい【狂悖】
非常識で不道徳な言動をすること。「—の性は愈々(いよいよ)抑え難くなった」〈中島敦・山月記〉
ぎょう‐かく【暁角】
夜明けを告げる角笛(つのぶえ)の音。「—が哀しげに響きはじめた」〈中島敦・山月記〉
こ‐じゃく【孤弱】
[名・形動]幼くて身寄りがないこと。また、そのさまや、その人。「彼らの—を憐れんで」〈中島敦・山月記〉
しげ・い【繁い】
[形][文]しげ・し[ク] 1 草木などが密集しているさま。「枝が—・く伸びた」「—・き草、蓬(よもぎ)をだにかき払はむ」〈源・蓬生〉 2 数量が多い。たくさんある。「光冷やかに、白露は地に—・...
どう‐と【道途/道塗】
みち。道路。「—に飢凍することのないように」〈中島敦・山月記〉
はく‐ろ【白露】
1 白く光って見える露。しらつゆ。「時に残月、光冷ややかに、—は地に滋く」〈中島敦・山月記〉 2 二十四節気の一。9月8日ごろ。このころから秋の気配が感じられはじめる。《季 秋》
ひかりとかぜとゆめ【光と風と夢】
中島敦の中編小説、および同作を表題作とする小説集。昭和17年(1942)、「文学界」誌に掲載され、第15回芥川賞候補作となる。作品集は同年の刊行で、ほかに「山月記」「斗南先生」などの作品を収める。