たなか‐こみまさ【田中小実昌】
[1925〜2000]小説家。東京の生まれ。戦後の混乱期に風俗の世界に身を投じ、さまざまな職業を体験する。飄々(ひょうひょう)としたユーモラスなタッチの中に人間の悲しさを描き出した。「浪曲師朝日...
たなか‐ひでみつ【田中英光】
[1913〜1949]小説家。東京の生まれ。太宰治に師事し、ボート選手としてオリンピックに出場した体験をもとに「オリンポスの果実」を発表。太宰の墓前で自殺。ほかに小説「地下室から」「野狐(やこ)...
ツェラーン【Paul Celan】
[1920〜1970]ルーマニア出身のドイツ系ユダヤ人の詩人。第二次大戦中はナチス‐ドイツによって強制収容所へ送られたが生きのび、戦後パリに居住。象徴主義・シュールレアリスムの影響を受けた。大胆...
ツワイク【Arnold Zweig】
[1887〜1968]ドイツのユダヤ系小説家。第一次大戦に従軍した体験から「白人たちの大戦争」(「グリーシャ連作」)を生涯にわたり書き続けた。ナチスの台頭でパレスチナに亡命、のちドイツで活躍。ツ...
ディルタイ【Wilhelm Dilthey】
[1833〜1911]ドイツの哲学者。精神科学の方法の確立を目指した。人間の内的体験、内的連関を重視する生の哲学を主唱し、歴史・文化・社会にまで考究の領域を広げた。著「精神科学序説」「精神諸科学...
とくなが‐すなお【徳永直】
[1899〜1958]小説家。熊本の生まれ。印刷工となり、上京して労働運動に参加。共同印刷争議の体験を「太陽のない街」に描き、プロレタリア作家としての地位を確立。他に「失業都市東京」「妻よねむれ...
とよだ‐じょう【豊田穣】
[1920〜1994]小説家。満州の生まれ。本名、穣(みのる)。海軍軍人として出征し米軍の捕虜となった体験を生かした戦記文学や、重い主題を扱った私小説的な作品を執筆した。「長良川」で直木賞受賞。...
ド‐クインシー【Thomas De Quincey】
[1785〜1859]英国の随筆家・批評家。ワーズワースと共同生活を送った。自己の体験をもとにした「阿片常用者の告白」で知られる。
ドス‐パソス【John Roderigo Dos Passos】
[1896〜1970]米国の小説家。第一次大戦の体験を描いた「三人の兵士」で注目され、米国社会を批判的に描く作品を発表し続けた。作「USA」三部作など。
なかざわ‐けい【中沢けい】
[1959〜 ]小説家。神奈川の生まれ。本名、本田恵美子。高校生の恋愛と性体験を描いた自伝的小説「海を感じる時」でデビュー、ベストセラーとなる。他に「野ぶどうを摘む」「水平線上にて」「豆畑の昼」など。