いなばどう【因幡堂】
因幡薬師のこと。 狂言。酒好きの女房を離縁した男が因幡堂へ妻乞いに行ったところ、だまされて前の女房と再び祝言の杯をあげてしまうという筋。
いなばどうえんぎ【因幡堂縁起】
鎌倉後期の絵巻。作者未詳。因幡の国司橘行平が夢のお告げで海中から引き上げた薬師如来像を本尊として因幡堂を創立した由来を描いたもの。
いなばのくも【稲葉の雲】
稲穂が実って風になびくようすを雲に見立てた語。「風渡る門田 (かどた) のすゑに霧はれて—を出づる月かげ」〈新拾遺・秋上〉
いなばのしろうさぎ【因幡の白兎】
出雲神話に出てくる兎。淤岐島 (おきのしま) から因幡国へ行くため、鰐鮫 (わにざめ) を欺いてその背を渡ったが、最後の鰐鮫に丸裸にされ、さらに八十神 (やそかみ) の教えをそのまま信じて潮を浴び、痛くて泣いていたところを、大国主命 (おおくにぬしのみこと) に救われる。
いなばのやま【因幡山/稲羽山/稲葉山】
鳥取市東部にある山。標高249メートル。いなばやま。[歌枕]「立ち別れ—の峰に生ふる松とし聞かば今帰り来む」〈古今・離別〉
いなばやくし【因幡薬師】
京都市下京区にある真言宗智山派の寺、平等寺の通称。山号は福聚山。11世紀初頭、因幡の国司橘行平が海中から得た薬師如来像を本尊として、その子光朝の開基と伝える。因幡堂。
いなばのくに【因幡国】
⇒因幡