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・・・したがってこの家訓は、学問と道理とに対する関心のもとに、主として学問の心得を説いたものだといってよいのである。 まず初めに手習い学問の勧めを説き、「年の若き時、夜を日になしても手習学文をすべし。学文なき人は理非をもわきまへ難し」と言って・・・
和辻哲郎
「埋もれた日本」
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・・・人間には感心しない物を感心したらしく詠嘆する能力がある。少しく感心したものをひどく感心したらしく言い現わす能力もある。人によれば自分の感じたことをわざと抹殺しようとする習慣をさえ持っている。あるいはほとんど無意識に自分の感じた事の真相から眼・・・
和辻哲郎
「創作の心理について」