・・・の用意があると首相が声明し、それをのせたのは読売新聞であり、他新聞は、自殺説・他殺説それぞれの客観的根拠を語っているが、読売の記事は一貫して犯罪性を濃く表現し、しかもそれを何のよりどころもないのに共産党、組合と結びつけている傾向が露骨である・・・ 宮本百合子 「「推理小説」」
・・・そう迄決心したら其もよかろうと云ったら、それはぐらりとかわって声明となってあらわれた。「森山啓さんも絶版になさるそうですね」「へえ? そんな本があるのかい?」「社会主義リアリズムが気になっているそうです」 文芸家協会へ行・・・ 宮本百合子 「一九三七年十二月二十七日の警保局図書課のジャーナリストとの懇談会の結果」
・・・しかし日本の人民自身は、世界に向って戦争放棄を声明した。自分たちがまた再び外からの強権によって、死ぬる場所に追い立てられることは欲していない。愛するものを死なせる女たちではあるまいとしている。アジアの敵であり、日本人民の生命を売るものとして・・・ 宮本百合子 「戦争はわたしたちからすべてを奪う」
・・・科学者たちが、適切な共同声明を発表しているのに、文学者は、なぜそのようにあっさりと、はっきりと行為しないのでしょうか。このことについてしきりに考えます。2、吉田首相は「放談」ぐせがつきすぎました。タイコモチにばかりかこまれて、半面自分自・・・ 宮本百合子 「戦争・平和・曲学阿世」
・・・人々が誠意をもって、少数者の利益のためにでっちあげられる戦争に反対を声明し、日本の人々をこめる世界の人民の平和を護ろうとするならば、こんにちの日本の現実において、もっとも発端的な人権に加えられているでっちあげを徹底的に排除しなければうそであ・・・ 宮本百合子 「それに偽りがないならば」
・・・これは、『若菜集』によって、俄に盛名をあげた藤村がこれまでと異った身辺の事情・角度から人生の波の危くしのぎがたいのを感じた心の反映として深い興味を覚える。 この境地から脱し、当時の文壇の騒々しさから脱しようとして、二十八歳の詩人藤村は「・・・ 宮本百合子 「藤村の文学にうつる自然」
・・・だって、プロ文士と云ったって、所謂社会主義だって国家主義から共産主義までの間に種々雑多な日和見主義、民主主義がはさまって、何れも顔付だけは一廉何か民衆解放に貢献するみたいに声明してはストライキを売ったりしてるのと同様だ。一口に云えぬ。まして・・・ 宮本百合子 「ニッポン三週間」
・・・を書こうとも、ブルジョア作家十一谷義三郎をしてブルジョア的盛名を得させたと同時に堕落させた「お吉」を書こうとも、「天誅組」を書こうとも、取材を貫徹して、維新が、封建的地主絶対主義支配の門出であるという特性をわれらに示し、こんにちの窮乏した農・・・ 宮本百合子 「文学に関する感想」
・・・世界の良心ある人々は、日本の代表的立場の婦人たちが平和を守ろうとして、その決意を示した声明をうけとって、はじめて彼らと共通な日本のヒューマニティというものを実感しただろうと思う。『女性改造』が、五人の婦人たちの声明を中心に、平和への希望のた・・・ 宮本百合子 「平和の願いは厳粛である」
・・・この一九四八年度のソヴェト国家予算が発表されたときAP通信は、「ソヴェトの新予算は、世界の平和にとって、これまでソヴェトの首脳部の声明の全部を合わせたものよりも、さらにいっそう重要な意義がある」と説明した。 今の世界に列強は二つしかない・・・ 宮本百合子 「平和への荷役」
出典:青空文庫