・・・「研究会」定期的集会。それ等管理の委員制を各劇場はもっていなければならない。「研究会」は必ず専門の芸術的研究と並行して、政治教程の勉強をやっているのだ。従って演技も古い連中とは違う。故小山内薫氏が革命十年記念祭にモスクワへ来て、いろんな芝居・・・ 宮本百合子 「ソヴェトの芝居」
・・・そういうスローガンが衛生教育の一つの定規になっている位だ。 青年共産主義同盟員は握手はしない。ピオニェールも握手しない。それで先ず第一に来ることは、恋愛の自由ということでも、家庭における婦人の地位の向上ということでも、要するに生産関係が・・・ 宮本百合子 「ソヴェト・ロシアの素顔」
・・・ 創作方法における社会主義的リアリズムの問題が提起されてから、確にプロレタリア文学の社会的包括力はひろげられ豊富にされた。さまざまな段階のさまざまな作家がそれぞれの方法で現実をとらえ、それぞれの形式で芸術化す可能が増大した。これは、一つ・・・ 宮本百合子 「近頃の感想」
・・・に、燦然と輝きながら、千年の地下の眠りから呼び覚まされたアフロジテの像に、静かな表情でコンパスと定規をあてて「……私は切に知りたいのですから……」と云った人の姿が尊く浮み上った。ほんとに、舌を持つほどの者は、「知りたいのです」という・・・ 宮本百合子 「地は饒なり」
・・・有ったと見えて永久に苦しみのない静かな水の底に柔い藻に抱かれてしまったのだろう、秋のつめたい水の中も情ない人の世よりはあたたかいと思ったと見える……人なみよりも勝れて美くしい人は命が短いと云う昔からの定規に彼の人ももれなかった」 殿はさ・・・ 宮本百合子 「錦木」
・・・十月の定期は短い時間でも聴けるだろうと思って居ります。 何卒よろしくおつたえ下さいませ 八日百合子 高根包子様 一九四七年五月二十七日〔岡山市内山下四番地 岡山県第一岡山中学校政経部宛 駒込林町より〕一、・・・ 宮本百合子 「日記・書簡」
・・・その役人とジャーナリストたちとの定期会見の席で、あるジャーナリストから編輯上の判断に困るから内務省として執筆を希望しない作家、評論家を指名してくれといったために、当局としては個人指名までを考えてはいなかったのに、数名の人の生活権をおびやかす・・・ 宮本百合子 「年譜」
・・・太平洋戦争がはじまる前まで、新交響楽団の定期演奏会は前売切符を会員に送った。その時分にひろ子もよくききにゆき、山沼というその青年も、大抵ききに来ていた。音楽をきいた帰りに、お茶をのみに歩いたりしても、山沼は、或る種の若い人のするような話しぶ・・・ 宮本百合子 「風知草」
・・・が提起しているばかりではない。アメリカでも、ドイツでもソヴェト同盟でもプロレタリア文化・文学活動に従うものの間に国際的な共通な問題となっている。 こういう問題が起るごとに、民主主義作家や反動作家は口を揃えて悪口をいって来た。日本のプロレ・・・ 宮本百合子 「プロレタリア文学における国際的主題について」
・・・組織活動と創作活動との統一の問題も紙数がたりなかったためか、その問題の提起者であり解決者であるサークル活動の具体性、サークル活動は何を作家に与えるかという実際問題まで切り下げていない。亀井は書いている。「われわれは政治理論の究明やブルジョア・・・ 宮本百合子 「文学に関する感想」
出典:青空文庫