トルコ西部にある古代都市の遺跡。小アジア半島(アナトリア)の北西端、エーゲ海から内陸へ約5キロメートル、ヒッサリクの丘に位置する。紀元前3000年頃から集落ができ、紀元前2500年から前2000年頃にかけて地中海交易の拠点として栄えたが、やがてトロイア戦争が起こり衰退。古代ギリシャ時代はイリオスまたはイリオン、もしくはトロイア、トロヤとよばれた。ドイツの考古学者シュリーマンが1870年代より発掘を開始し、同地がトロイアであると比定。引き続き行われた発掘調査により、最下層の第一市から最上層の第九市まで、異なる時代の九つの都市があったと考えられ、第一市の住居跡、第二市の道路、第六市の城壁や塔、第九市の劇場や神殿などの遺跡が残る。1998年に世界遺産(文化遺産)に登録された。トロイ。