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・・・ はじめ清澄山で師事した道善房は凡庸の好僧で情味はあったが、日蓮の大志に対して善知識たるの器ではなかった。ただ蔵経はかなり豊富だったので、彼は猛烈な勉強心を起こして、三七日の断食して誓願を立て、人並みすぐれて母思いの彼が訪ね来た母をも逢・・・
倉田百三
「学生と先哲」
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・・・かつ大志を抱くものは往々貧家の子に多きものなれども、衣食にも差支うるほどにて、とても受教の金を払うべき方便なく、ついに空く志を挫く者多し。その失、二なり。一、私塾の教師は、教授をもって金を得ざれば、別に生計の道を求めざるをえず。生計に時・・・
福沢諭吉
「学校の説」