《動詞「おき(掟)つ」の連用形から》
1 守るべきものとしてすでに定められている事柄。その社会の定め。決まり。また、法律。法度 (はっと) 。「家の―」「―に背く」
2 かねてからの心づもり。計画。
「この二年ばかりぞかくてものし侍れど、親の―にたがへりと思ひ嘆きて」〈源・帚木〉
3 取りしきること。処置。処分。また、指図。命令。
「おのづから位などいふことも高くなり、身の―も心にかなひがたくなどして」〈源・夢浮橋〉
4 様式にかなったものの扱い方や配置のぐあい。
「筆の―すまぬ心地して、いたはり加へたる気色なり」〈源・梅枝〉
5 心のもち方。心構え。心ばせ。
「―広きうつはものには、幸ひもそれに従ひ、せばき心ある人は、さるべきにて」〈源・若菜下〉