時移り事去る
《陳鴻「長恨歌伝」から》歳月とともにさまざまなものが変化してゆく。「さるほどに—・って、世の変はりゆく有様は」〈平家・二〉
時極まれば而ち転ず
《「史記」平準書から》時勢は行き着くところまで行くとやがて転じる。社会は時代によって変化してゆくものだということ。
時極まれば転ず
⇒時極まれば而 (すなわ) ち転ず
時知らず
時期をわきまえない。四季の区別もなく、年じゅう変化がない。「—◦ぬ山は富士の嶺 (ね) いつとてか鹿 (か) の子まだらに雪のふるらむ」〈伊勢・九〉
時ぞともなし
いつという定まった時もない。いつも。年がら年じゅう。「いたづらに雲ゐる山の松の葉の—・き五月雨の空」〈玉葉集・夏〉
時となく
いつという時を定めず。常に。ひっきりなしに。「忘れ草我が紐に付く—思ひ渡れば生けりともなし」〈万・三〇六〇〉
時と場合
その時々とその場の状況。「—によって対策も異なる」
時無し
1 いつと定まった時がない。「み吉野の耳我 (みみが) の嶺に—・くそ雪は降りける」〈万・二五〉 2 不幸・失意の境遇にある。「東宮の御時の学士にて侍りしを、—・くおはしませば」〈今鏡・一〉
時成る
その時刻が来る。その時期になる。「その日は立ち騒ぎて、—・りぬれば、今はとて」〈更級〉
時に遇う
1 よい時節にあう。時勢にあって栄える。「—・って社業が発展する」 2 幸運にであう。「三代の帝に仕うまつりて、—・ひけれど」〈伊勢・一六〉