
1 ふさわしい程度を超えているさま。また、いちじるしいさま。並でないさま。過分。相当。「―な御見舞をいただきました」「貯金も―な額になった」
2 人に対する態度や言動が度を過ぎているさま。非常識。「そんなことを言うなんて―な奴だ」
1 いちじるしいさま。多く、予想外だとか不本意だとかいう気持ちをこめて用いる。非常に。だいぶ。かなり。「年の割には―(と)老 (ふ) けて見える」「―(と)大げさなことをいう人だ」
2 その人の能力・身分・立場などにふさわしいさま。また、事態がある状況にふさわしくなっていくさま。分相応に。それなりに。「しっかり勉強すれば、成績も―(と)よくなるものだ」
「将来立派な者にさえなれば、―照子の婿 (むこ) にもしてやる」〈谷崎・悪魔〉
3 その人の置かれている状況の中で最善を尽くすさま。できるだけ。なるべく。「―(と)養生してください」「―(と)努力してみましょう」
「我は此の宗に帰すれども、人はまた彼の宗に志す。共に―の益 (やく) あるべし」〈神皇正統記・嵯峨〉
出典:青空文庫
・・・は若槻に三年この方、随分尽して貰っている。若槻は小えんの母親ばか・・・ 芥川竜之介「一夕話」
・・・波打際から随分遠い所に、波に隠れたり現われたりして、可哀そうな妹・・・ 有島武郎「溺れかけた兄妹」
・・・度の人に対するのは、随分迷惑な恐ろしいわけである。しかしフレンチ・・・ 著:アルチバシェッフミハイル・ペトローヴィチ 訳:森鴎外「罪人」