ことばのその【言葉の園】
言葉の数が豊かなことを庭園の草木の多いのにたとえた語。詩苑 (しえん) 。「—に遊び、筆の海を汲みても」〈新古今・仮名序〉
ことばのつゆ【言葉の露】
1 言葉の美しいこと、また、はかないことを露にたとえていう語。「—のたまづさの、心の花も色添ひて」〈謡・井筒〉 2 重陽の節句に作られた詩歌を、菊の露にちなんで露にたとえた語。「九重のとのへも匂ふ菊のえに—も光そへつつ」〈拾遺愚草・中〉
ことばのはし【言葉の端】
話の中のちょっとした言葉。言葉じり。「—から大体のようすは推察できる」
ことばのはな【言葉の花】
1 美しい言葉。華やかに飾った言葉。「なほざりの—のあらましを待つとせし間に春も暮れぬる」〈風雅・雑上〉 2 和歌。「家々のもてあそびものとして、—残れる木のもともかたく」〈新古今・仮名序〉
ことばのはやし【言葉の林】
言葉の数が多いことを林にたとえた語。詞林。「—も老木になりて、花の思ひも忘れにけり」〈栄花・駒競べの行幸〉
ことばのはり【言葉の針】
言葉の中にこめられた悪意や敵意。「仁者を貶 (さみ) する—」〈浄・浦島年代記〉
ことばのひっぱなし【言葉の引っ放し】
言葉のはしばし。「どこやら—、残る所が武士形気」〈浄・宵庚申〉
ことばへん【言葉偏】
⇒言偏 (ごんべん)
ことばよせ【詞寄せ】
連歌・俳諧で、詠作上必要な用語を集め、注釈を加えた作法書。
ことばろん【言葉論】
口げんか。口論。言葉争い。「夜前妻 (め) ぢゃ者と—をいたしたれば」〈狂言記・貰聟〉