[形][文]こころにく・し[ク]
  1. 憎らしく思われるほど、言動などがすぐれているさま。「—・い演出」「—・いまで落ち着きはらう」

  1. はっきりしないものに心がそそられるさま。特に、上品な深みを感じ、心ひかれるさま。おくゆかしい。「—・い庭のたたずまい」

  1. 憎らしく思うさま。こ癪 (しゃく) にさわる。

    1. 「此小僧を少々—・く思って居たから」〈漱石吾輩は猫である

  1. 対象がはっきりしないので、不安である。

    1. 「定めて打手向けられ候はんずらん。—・うも候はず」〈平家・四〉

  1. 不審を感じ、とがめたく思うさま。怪しい。

    1. 「—・し。重き物を軽う見せたるは、隠し銀にきわまるところ」〈浮・胸算用・四〉

出典:青空文庫

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