間違う(まちがう) の類語・言い換え
ブックマークへ登録誤る/間違う/間違える の使い方
誤る/間違う/間違える の使い分け
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- 「誤る」は、他動詞では、ある物事について正しくない判断、認定を下す意である。「…を誤る」の形で、「…を」の部分には、判断、認定を意味するような語がくることが普通である。自動詞としては、「誤った考え」のように「誤った」の形で連体修飾語として使うことが多く、当を得ない、道理にはずれたといった、判断、認識が正しくない意で用いられる。なお、「誤って」という言い方は、今日では「うっかり」のような意味で用いられることが多く、副詞に近づいている。
- 2
- 「間違う」は、本来は自動詞で、他動詞の「間違える」と対応するものであるが、今日では「順番を間違う」のように他動詞として、「間違える」とほぼ同じように用いられる。
- 3
- 「間違う」は、自動詞としては、三通りの意味・用法がある。第一に、人がミス、失敗を犯すという、観察可能な具体的動作をさしていう場合で、「あっ、あいつまた間違った」などと、人を主語にして用いる。この場合は、表面的な動作に焦点があてられ、判断の誤りとはいえないような、単なる動作のやり損ないについてもこうした言い方が用いられる。第二に、「あなたの考えは間違っている」などのように、ある人の判断、認識やそれに基づく行為、態度、姿勢が正しくないという意で用いる。第三に、「答えが間違っている」のように、思考、判断の過程でミスを犯していて、出てきた結果が正しくないという意の用法がある。
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- 自動詞の「間違う」と「誤る」は、正しくない判断をする意では意味が接近しているが、どちらかというと「間違う」が具体的になんらかのミスを犯しているのに対して、「誤る」は、どこがどうというのではなく概して正しくないという、やや抽象的な語感がある。それゆえ、「あなたの考えは誤っている」に対して、「あなたの考えは間違っている」の方が、直接的に批判するニュアンスが出てくる。また、一般的に思想、認識など、やや硬い抽象的な語句については、「誤る」の方が自然であり、逆に、判断、思考の結果出てきた具体的なものが正しくない場合には、「間違う」の方が自然である。
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- 「間違える」は、本来自動詞である「間違う」に対応する他動詞である。「間違える」は、ヴァイオリンを弾いていて「しまった、うっかり指使いを間違えた」などという言い方のように、表面的に動作をやり損なう意、「計算を間違える」「答えを間違える」などのように、思考、判断の過程でミスを犯して、正しくない結果を出してしまう意、「傘を間違える」「塩と砂糖を間違える」などのように、取り違える意で用いられる。
誤る/間違う/間違える の関連語
- 違える 【ア下一】
- 理解、判断、行動などを正常でなくする。また、他と比較して、あるいは平常とくらべて差があるようにさせる。「答えを違える」「首の筋を違える」「やり方を違える」
誤る/間違う/間違える の類語対比表
計算を…た | あて先を… | 飛行機をUFOと… | …た考え | 字が…ている | |
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誤る | -っ○ | - | - | -っ○ | -っ△ |
間違う | -っ○ | ○ | ○ | -っ○ | -っ○ |
間違える | -え○ | ○ | ○ | -え- | -え- |
カテゴリ
#人間の動作#行為