[動ガ五(四)]
1 押し分けて前に進む。乗り越えて進む。「波濤 (はとう) を―・いで行く」
2 困難や苦境などにじっと堪えて、なんとか切り抜ける。辛抱して乗り越える。また、防いで、堪え忍ぶ。「飢えを―・ぐ」「ピンチを―・ぐ」「風雨を―・ぐ」「日本の夏は―・ぎにくい」
4 能力・程度などが他のものを追い抜いて上に出る。他よりまさる。「壮者を―・ぐ元気」「前作を―・ぐ傑作」「山頂雲を―・ぐ」
5 押し伏せる。おおいかぶさる。
「高山の菅の葉―・ぎ降る雪の消ぬとか言はも恋の繁けく」〈万・一六五五〉
出典:青空文庫
・・・袋嵌めたのも、寒さを凌ぐとは見えないで、広告めくのが可憐らしい。・・・ 泉鏡花「露肆」
・・・ともかくも今夜一夜を凌ぐ画策を定めた。 自分は猛雨を冒して材木屋・・・ 伊藤左千夫「水害雑録」
・・・るけれど、十月の熱を凌ぐには十分だ。ここへあたりの黍殻を寄せて二・・・ 伊藤左千夫「野菊の墓」