出典:青空文庫
・・・軸は、仮表装の北斗七星の四文字である。文句もそうであるが、書体はいっそう滑稽であった。糊刷毛かなにかでもって書いたものらしく、仰山に肉の太い文字で、そのうえ目茶苦茶ににじんでいた。落款らしいものもなかったけれど、僕はひとめで青扇の書いたもの・・・ 太宰治 「彼は昔の彼ならず」
・・・もうマジエル様と呼ぶ烏の北斗七星が、大きく近くなって、その一つの星のなかに生えている青じろい苹果の木さえ、ありありと見えるころ、どうしたわけか二人とも、急にはねが石のようにこわばって、まっさかさまに落ちかかりました。マジエル様と叫びながら愕・・・ 宮沢賢治 「烏の北斗七星」
・・・ 3 烏の北斗七星戦うものの内的感情です。 4 注文の多い料理店二人の青年紳士が猟に出て路を迷い、「注文の多い料理店」にはいり、その途方もない経営者からかえって注文されていたはなし。糧に乏しい村のこどもらが、・・・ 宮沢賢治 「『注文の多い料理店』新刊案内」