[助動]《尊敬の助動詞「せ」に尊敬の助動詞「らる」の付いた「せらる」の音変化。近世語》四段・ナ変動詞の未然形に付いて、尊敬の意を表す。なさる。→
さしゃる- 「かか様の死なしゃれぬ様にして下され」〈浄・阿波鳴渡〉
[補説]もと下二段型活用「しゃれ・しゃれ・○・○・しゃるれ・○」で、のちに四段型活用「しゃら・しゃり(しゃっ)・しゃる・しゃる・しゃれ・しゃい(しゃれ)」となる。「きさまの
着物も、薄綿になっては夫限 (それぎり) だと思は
っしゃい」〈滑・
浮世風呂・前〉のように上接する動詞語尾との間に
促音が加わり、「っしゃる」となることもある。