ひぜんざ【肥前座】
江戸の人形浄瑠璃劇場。杉山(江戸)肥前掾 (ひぜんのじょう) が寛文(1661〜1673)から貞享(1684〜1688)ごろに江戸堺町で興行したものと、豊竹肥前掾が元文(1736〜1741)から天明(1781〜1789)まで堺町で興行したものとがある。
ひぜんだに【皮癬蜱】
ヒゼンダニ科のダニ。体長0.3ミリほどで、円盤形をし、第1・2歩脚に吸盤をもつ。人間の皮膚に寄生し、疥癬 (かいせん) を起こす。疥癬虫。
ひぜんぶし【肥前節】
1 古浄瑠璃の一。杉山丹後掾 (たんごのじょう) の子の杉山肥前掾が江戸で語ったもので、寛文(1661〜1673)ごろに流行。 2 歌舞伎下座音楽の一。1を模倣した合方 (あいかた) 。大鼓・小鼓を伴い、時代物で武将の物語などの伴奏として用いる。
出典:青空文庫
・・・じゅりあの・吉助は、肥前国彼杵郡浦上村の産であった。早く父母に別・・・ 芥川竜之介「じゅりあの・吉助」
・・・衣食は春秋二度ずつ、肥前の国鹿瀬の荘から、少将のもとへ送って来た・・・ 芥川竜之介「俊寛」
・・・三日ずつ捜して、舟で肥前国島原に渡った。そこに二日いて、長崎へ出・・・ 森鴎外「護持院原の敵討」