きつねのえふで【狐の絵筆】
スッポンタケ科のキノコ。秋、竹林に生える。初めは白い卵形で、のち伸びて角状となり、先は赤く中空。上端に胞子を含む黒い粘液があり、悪臭を放つ。きつねのえかきふで。
きつねのかみそり【狐の剃刀】
ヒガンバナ科の多年草。山野に生え、高さ約40センチ。地下茎はラッキョウ形。春、線形の葉を出す。夏、葉の枯れたのちに花茎を伸ばし、黄赤色の6弁花を数個開く。有毒。
きつねのちゃぶくろ【狐の茶袋】
1 ホコリタケの別名。また、ツチグリの別名。 2 コミカンソウの別名。 3 植物ゴンズイの別名。 4 ムラサキケマンの別名。
きつねのてぶくろ【狐の手袋】
ジギタリスの別名。
きつねのぼたん【狐の牡丹】
キンポウゲ科の多年草。山野の湿地や田のあぜに生え、高さ20〜60センチ。茎は中空。葉は3枚の小葉からなる複葉。春から秋に、黄色のつやのある5弁花を開き、金平糖 (こんぺいとう) 状の実ができる。有毒。《季 春》
きつねのまご【狐の孫】
キツネノマゴ科の一年草。野原や道端に生え、高さ10〜40センチ。基部は地に伏し、茎は四角柱。葉は長楕円形で、対生する。夏から秋に、枝の先に淡紅色の唇形の花を穂状につける。
きつねのよめいり【狐の嫁入り】
1 日が照っているのに、急に雨がぱらつくこと。日照り雨。 2 夜、山野で狐火が連なって、嫁入り行列の提灯 (ちょうちん) のように見えるもの。
きつねび【狐火】
《狐の口から吐き出された火という俗説から》 1 闇夜に山野などで光って見える燐火 (りんか) 。鬼火。また、光の異常屈折によるという。狐の提灯 (ちょうちん) 。《季 冬》「—や髑髏 (どくろ) に雨のたまる夜に/蕪村」 2 歌舞伎などで、人魂 (ひとだま) や狐火に見せるために使う特殊な火。焼酎火 (しょうちゅうび) 。 浄瑠璃「本朝廿四孝 (ほんちょうにじゅうしこう) 」の四段目「謙信館奥庭狐火の段」の通称。
きつねびより【狐日和】
照っているかと思えば雨が降ったりするような天気。
きつねふく【狐福】
《「きつねぶく」とも》思いがけないしあわせ。僥倖 (ぎょうこう) 。「大黒殿の袋を拾ふか、—ならん」〈浮・二十不孝・三〉