《上代は上二段活用であるが、平安時代ころから四段にも活用するようになった》
[動バ五(四)]
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1 気持ちや生活態度にゆとりやうるおいなどがなくなる。とげとげしくなる。荒れる。「心が—・ぶ」
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2 細かいところにまで注意が求められる芸などが荒れて雑になる。「芸が—・ぶ」
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3 ある方向にいよいよ進む。特に、雨・風などの勢いが増す。「嵐が—・ぶ」「吹き—・ぶ」
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4 勢いが尽きて衰える。
「降り—・ぶ時雨の空のうき雲にみえぬ夕日のかげぞうつろふ」〈風雅・冬〉
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5 (遊ぶ)気の向くままに何かをする。慰み興じる。もてあそぶ。
「目とどめ給ひて…など、書き添へつつ—・び給ふ」〈源・若菜上〉
[動バ上二]
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1 (遊ぶ)心のおもむくままにする。あそび慰む。
「絵はなほ筆のついでに—・びさせ給ふあだごととこそ」〈源・絵合〉
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2 (動詞の連用形について)勢いが激しくなる。さかんに…する。
「朝露に咲き—・びたる月草の日くたつなへに消 (け) ぬべく思ほゆ」〈万・二二八一〉