と/に/まで の解説 - 小学館 類語例解辞典

と/に/まで の共通する意味

動作・関係の及ぶ相手を表わす。

と/に/まで の使い方

▽友達とけんかした ▽進学問題について親と話し合った ▽甲は乙と等しい
▽友達に消しゴムを貸した ▽彼は娘にあまい
まで
▽書類は窓口まで提出してください ▽御用の方は電話で事務室まで連絡してください

と/に/まで の使い分け

述語の中には、「結婚する」「戦う」「等しい」などのように、複数の主体がいないと成立しない動作や関係を表わすものがある。
複数の主体が主従の別なく相互にその動作・関係に関与しているとき、文型は「XがYと…」になる。この場合、「YがXと…」とも言える。このような述語には、次のものがある。動詞:結婚する、離婚する、交際する、別れる、話し合う、仲直りする、戦う、争う、競う、けんかする、組む、契約する、異なる、など。形容詞・形容動詞:親しい、むつまじい、仲良しだ、親密だ、懇意だ、など。
主体から相手に対して一方的に動作・関係が及ぶとき、文型は「XがYに…」になる。この場合、「YがXに…」とは言えない。このような述語には、次のものがある。動詞:教える、尋ねる、質問する、報告する、伝える、わびる、貸す、売る、預ける、渡す、贈る、勧める、など。形容詞・形容動詞:優しい、あまい、厳しい、冷たい、親切だ、丁寧だ、いじわるだ、など。
述語の中には「XがYと…」と「XがYに…」の両方言えるものがある。この場合、「XがYと等しい」「XがYに等しい」のようにほとんど意味が変わらないものもあるが、双方の間に意味の違いがみられることがある。たとえば、「バスがトラック衝突した」では、互いにぶつかり合った場合(相互的動作)であり、「バスがトラック衝突した」では、バスが一方的にトラックにぶつかった場合(一方的動作)をいう。したがって、「バスが車庫衝突した」はいえるが、「バスが車庫衝突した」はおかしい。このような述語には、ほかに「ぶつかる」「相談する」「会う」「話す」などがある。
「まで」は動作の相手を表わすという点では「に」と変わりはないが、その相手のいる所まで移動を伴う意味が加わるという点で異なる。この移動は具体的な移動とは限らず、電話や手紙などを用いる場合もある。「まで」と結びつく動詞には、「申し出る」「申し込む」「提出する」「届け出る」「届ける」「連絡する」「知らせる」「請求する」「問い合わせる」などがある。

と/に/まで の関連語

のために
相手に恩恵・利益を与える目的でという意味を表わす。「子供のために机を買った」「家のために早くから働く」

と/に/まで の類語対比表

先生…相談する先生…質問する同級生…結婚する係…申し出る
まで