天勾践を空しゅうすること莫れ時に范蠡無きにしも非ず
《勾践は中国春秋時代の越の王。范蠡は呉に敗れた勾践を助け、呉を滅した忠臣》天は勾践を見捨てない、時がくれば范蠡のような忠臣が出て助けてくれる。南北朝時代、児島高徳 (こじまたかのり) が捕らわれの後醍醐天皇に、自分の志を示すため桜の幹に書いたという、「太平記」巻4に見える詩句による。
天定まって亦能く人に勝つ
《「史記」伍子胥伝から》乱世には悪の栄えることもあるが、天の理法が復すれば、悪は滅び、善が栄える。
天知る地知る我知る子知る
《「後漢書」楊震伝から。後漢の楊震が賄賂 (わいろ) を断るときに言ったという》他人は知るまいと思っても、天地の神々も、自分も、それをするあなたも知っている。悪事は必ずいつかは露見するものだということ。四知。