-
・・・一 偕老同穴は夫婦の約束なれども、如何せん老少不定は天の命ずる所にして、偕老果して偕老ならずして夫の早く世を去ることあり。斯る不幸に際して跡に遺る婦人の年齢が四十五十にも達して、加うるに子供の数も多からんには、寡を守りて家に居る可きなれ・・・
福沢諭吉
「新女大学」
-
・・・けれど有難くないの何のと贅沢をいって見たところで、諸行無常老少不定というので鬼が火の車引いて迎えに来りゃ今夜にも是非とも死ななければならないヨ。明日の晩実は柳橋で御馳走になる約束があるのだが一日だけ日延してはくれまいかと願って見たとて鬼の事・・・
正岡子規
「墓」