きこえ‐さ・す【聞こえさす】

の解説

［動サ下二］《「言う」の謙譲語「聞こゆ」に使役の助動詞「さす」が付いて、その謙譲の度合いを強めた語》

1. １ 申し上げる。

   1. 「せちに—・すべき事なむある」〈大和・一五五〉

1. ２ 手紙を差し上げる。

   1. 「人伝 (づ) てならで—・せむ」〈源・紅葉賀〉

1. ３ （補助動詞）動詞連用形に付いて、謙譲の意を表す。…申し上げる。

   1. 「いつしか出でさせ給はなむと待ち—・するに、いとひさし」〈枕・二七八〉

[補説]直接ではなく、人を介して申し上げるという形式をとることによって、その相手と距離を置き、へりくだる気持ちを強めた語。

出典：デジタル大辞泉（小学館）

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