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・・・青い浴衣に赤い絞り染めの兵古帯すがたのあなたのお供、その日、樹蔭でそっとネガのプレートあけて見て、そこには、ただ一色の乳白、首ふって不満顔、知らぬふりしてもとの鞘におさめていたのに、その夜の現像室は、阿鼻叫喚、種板みごとに黒一色、無智の犯人・・・
太宰治
「二十世紀旗手」
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・・・救われずして地獄の九圏の中に阿鼻叫喚しているはずの、たとえば歴山大王や奈翁一世のごとき人間がかえって人生究竟の地を示したか。これは未決問題である。宗教の信仰に救われて全能者の存在を霊妙の間に意識し断乎たる歩武を進めて Im schnen, ・・・
和辻哲郎
「霊的本能主義」