ユリの上代東国方言。

「筑波嶺 (つくはね) のさ—の花の夜床 (ゆとこ) にもかなしけ妹 (いも) そ昼もかなしけ」〈・四三六九〉

[動ラ上二]

  1. 許される。許可される。認められる。

    1. 「皆世に—・りたる古き道の者どもなり」〈増鏡・おどろの下〉

  1. 罪などを免ぜられる。放免される。

    1. 大赦のありければ、法師も—・りにけり」〈宇治拾遺・一二〉

  1. うちとける。隔てがなくなる。

    1. 「今は心も—・りて」〈浮・男色大鑑・五〉

[動ラ五(四)]
  1. 揺り動かす。ふるい動かす。ゆすぶる。

    1. 背広の肩を抑えて、前後に—・りながら」〈漱石それから

  1. (「淘る」「汰る」とも書く)水の中などで、ふるい動かして選び分ける。「砂金を—・る」

  1. 物が揺れ動く。特に、地震が起こる。

    1. 地震が—・る度に」〈漱石吾輩は猫である

[動ラ下二]ゆれる」の文語形。

[形動ナリ]

  1. 締め方がきつくないさま。ゆるいさま。

    1. 「(髪ヲ)いと—にひき結はせ給ひて」〈栄花・楚王の夢〉

  1. ゆっくりとしたさま。

    1. 「花誘ふ風—に吹きける夕暮れに」〈宇津保・国譲下〉

  1. 寛大なさま。おうよう。

    1. 「我をば人はいかがいふなど人に問はせ給ひけるに、—になむおはしますと」〈大鏡・道長下〉

  1. ゆるがせにするさま。いいかげんなさま。

    1. 「しかれば公私につきて、露ばかりも—なること無かりけり」〈今昔・二九・三〇〉

出典:青空文庫

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