出典:青空文庫
・・・その記念日にあたって、わたしたちが力をつくして闘い、抵抗しなければならないのが国の内外にあらわになって来ているファシズムであり、戦争挑発であるということは、実に感慨無量のことです。 日本のファシズムは、本年に入ってから、特に国鉄をはじめ・・・ 宮本百合子 「新しい抵抗について」
・・・ ときかれて、実に私は感慨無量だった。 ブルジョアの子は、学校の行きかえりにさえ自動車にのり、好きな犬までそばへつけてヌクヌクと育っているのに、プロレタリアや農民の子はどうです。親があったって、親は搾られ、ろくな飯さえ食えずにいる。・・・ 宮本百合子 「従妹への手紙」
・・・ 私は、二度も三度も、新聞の記事を繰返して読みながら、台所に立ったまま、全く感慨無量という状態に置かれたのです。 食事を仕ながら、自分は、種々に自分の心持を考えて見ました。 親類でもなく、師でも友でも無い、尊敬する一人の学者とし・・・ 宮本百合子 「偶感一語」
・・・見物の中には、もう年配の労働者がいて、何度も何度もその一室を廻り、感慨無量らしいのも見える。彼は、きっと一九〇五年の、記念すべき時代を自身工場の中にいて、経験したのだろう。血の日曜日に、冬宮の前で、皇帝の命令によって、射殺された数千の大衆の・・・ 宮本百合子 「ロシアの過去を物語る革命博物館を観る」