黒田清輝の3部作の裸婦像。3作とも、カンバスに油彩。金地の背景に、直立する日本人女性の裸体を正面から描いたもの。こめかみに右手をあてた姿の「智」、両手を顔の横に挙げた「感」、うつむき加減で髪をかき上げる姿の「情」の3作からなり、それぞれが理想主義(智)、印象主義(感)、写実主義(情)の画風の象徴とされる。明治30年(1897)に制作され、第2回白馬会展に出品。いずれも明治32年(1899)に加筆されたのち、明治33年(1900)のパリ万博に「裸婦習作」として出品され、銀賞を受賞した。国指定重要文化財。東京国立博物館蔵。