せんさ‐ばんべつ【千差万別】例文一覧 14件

  1. ・・・されど、実体の両面たる物質と勢力とが構成し、仮現する千差万別・無量無限の形体にいたっては、常住なものはけっしてない。彼らすでに始めがある。かならず終りがなければならぬ。形成されたものは、かならず破壊されねばならぬ。成長する者は、かならず衰亡・・・<幸徳秋水「死刑の前」青空文庫>
  2. ・・・ 其実体には固より終始もなく生滅もなき筈である、左れど実体の両面たる物質と勢力とが構成し仮現する千差万別・無量無限の個々の形体に至っては、常住なものは決してない、彼等既に始めが有る、必ず終りが無ければならぬ、形成されし者、必ず破壊されね・・・<幸徳秋水「死生」青空文庫>
  3. ・・・ 文学の場合でも、たとえば、ある史実を取り扱った戯曲を作るとすれば、作者の個性の差別によって、千差万別ありとあらゆる作品が可能であって、そうして、そのいずれもが傑作でもありうるのである。しかも物理学の場合などとは到底比較にならない多種多・・・<寺田寅彦「科学と文学」青空文庫>
  4. ・・・というものの批判が非常に複雑困難なものであって、その批判の標準に千差万別があり、従って十人十色の批評者によって十人十色の標準が使用されるから、そこに批判の普遍性に穴があり、そこへ依怙の私と差別の争いが入り込むのであろう。 ある学者甲が見・・・<寺田寅彦「学位について」青空文庫>
  5. ・・・たとえばガラス板を平坦な台の上に置いて上から鉄の球を落として放射線形の割れ目を生ずるという場合に、板の厚さや、球の重量や落下の高さを一定にしてみても、生ずる割れ目の線の数や長さは千差万別であってなかなか一定しない。多数の実験を繰り返せば統計・・・<寺田寅彦「物理学圏外の物理的現象」青空文庫>
  6. ・・・さて吾々の活力が外界の刺戟に反応する方法は刺戟の複雑である以上固より多趣多様千差万別に違ないが、要するに刺戟の来るたびに吾が活力をなるべく制限節約してできるだけ使うまいとする工夫と、また自ら進んで適意の刺戟を求め能うだけの活力を這裏に消耗し・・・<夏目漱石「現代日本の開化」青空文庫>
  7. ・・・しかしその内容を論ずれば千差万別である。実は文学の標榜するところは何と何でその表現し得る題目はいかなる範囲に跨がって、その人を動かす点は幾ヵ条あって、これらが未来の開化に触るるときどこまで押拡げ得るものであるか、いまだ何人も組織的に研究した・・・<夏目漱石「作物の批評」青空文庫>
  8. ・・・人間衛生の事なり、活計の事なり、社会の交際、一人の行状、小は食物の調理法より大は外国の交際に至るまで千差万別、無限の事物を僅々数年間の課業をもって教うべきに非ず、学ぶべきに非ず。たとえ、その一部分にてもこれを教えて完全ならしめんとするときは・・・<福沢諭吉「文明教育論」青空文庫>
  9. ・・・しかしその感銘は、ばらばらであったり、不確かであったり、個人的であったりする場合、そこへ民主的文学のみちびきがのびてきて、読者の千差万別の日々に読みとられた文学的感銘を、一本の民主的方向に貫ぬいて整理することを知らせる。指導は、そういうもの・・・<宮本百合子「討論に即しての感想」青空文庫>
  10. ・・・わたしたちは、あらゆる場所で、あらゆる場面で千差万別の形であらわれてくる、反人民的勢力のすべてと戦ってゆかなければならないと信じます。なんぞというと、このごろは恋愛談議がはやっているけれども、恋愛にだってまっさきに問題になるのはこの反人民的・・・<宮本百合子「ファシズムは生きている」青空文庫>
  11. ・・・ひろ子は実験用テーブルをぐるりとまわって、仔細に千差万別の形をし、はり紙をつけられ、一見無雑作に、しかも極めて意味のある秩序をもって整理されている瓶や試験管の林立を眺めた。 重吉は、そうやって大テーブルのまわりを珍しそうにまわっているひ・・・<宮本百合子「風知草」青空文庫>
  12. ・・・ けれども、戦争と、それからひきおこされた不幸は、千差万別のあらわれはもっていても、根本はただ一つの原因と結論の上に立っています。それは戦争が人類的罪悪であるということと、その戦争は、すべての人の努力によって、これから又くりかえされるこ・・・<宮本百合子「未亡人への返事」青空文庫>
  13. ・・・施設者はアメリカと同様に千差万別であり自由経営になっている。普及率の面から見て最低中華民国、スペイン、イタリー、ポーランド、日本という順である。このことと、これらの国々における民衆経済力の低度とを思い合わせる時、ラジオも亦複雑な社会相を語る・・・<宮本百合子「「ラジオ黄金時代」の底潮」青空文庫>
  14. ・・・もしそうであるならば猶更、人生の生理こそ必要ではないか。千差万別の事情ではありながら、大略今日の物質と精神の窮乏の状態、それに屈し切れない人間性の身もだえに於ては百万人の若い女が近似している。それを積極的なものに発展させ、転化させようとする・・・<宮本百合子「私たちの社会生物学」青空文庫>