いちまいかんばん【一枚看板】
一座の代表的な役者のこと。また、多くの人の中で中心となる人物のこと。また昔、武家で中間ちゅうげんや小者に支給された着物を「かんばん」と呼んだことから、一着しかない衣服、人に見せられるような着替えのないこと。▽「一枚看板」は、歌舞伎かぶきで、出し物の演目(外題げだい)や主な役者の名や絵姿を、一枚の看板に書いて、劇場の前に掲げたことから出た語で、一枚の看板に名前ののるほどの役者の意から転じた。
いっさいかいくう【一切皆空】
仏語。あらゆる現象や存在には実体がなく、空であるということ。
いっちょういったん【一長一短】
人や物事について、いい面もあり悪い面もあること。長所もあり短所もあって、完全でないこと。▽「一…一…」は「ある面は…ある面は…」の意。「長」「短」は長所・短所、よい点・悪い点。「一短一長いったんいっちょう」ともいう。
おんこちしん【温故知新】
前に学んだことや昔の事柄をもう一度調べたり考えたりして、新たな道理や知識を見い出し自分のものとすること。古いものをたずね求めて新しい事柄を知る意から。▽「温」はたずね求める意。一説に、冷たいものをあたため直し味わう意とも。「故ふるきを温たずねて新あたらしきを知しる」または「故ふるきを温あたためて新あたらしきを知しる」と訓読する。
おんじゅうとんこう【温柔敦厚】
穏やかでやさしく、情が深いこと。もと、孔子が儒教の基本的な古典で、中国最古の詩集である『詩経しきょう』の教化の力を評した語。『詩経』の詩篇は古代の純朴な民情が素直に歌われたもので、人を感動させ、教化する力をもっていると説いたもの。▽「温柔」は穏やかで柔和なこと。「敦厚」はねんごろで人情深いこと。
かっぱつはっち【活発発地】
[形動][文][ナリ]精神・気力が充実し勢いのよいさま。活気があふれているさま。「人物は—に躍動する許(ばか)りだ」〈漱石・三四郎〉
ききみょうみょう【奇奇妙妙】
[名・形動]《「奇妙」のそれぞれの字を重ねて意味を強めた語》きわめて奇妙なこと。また、そのさま。「ここに—の事実ありさ」〈逍遥・当世書生気質〉
じこむじゅん【自己矛盾】
自分自身の中で、論理や行動が食い違い、つじつまが合わなくなること。▽「矛盾」はつじつまの合わないこと。
じじつむこん【事実無根】
事実に基づいていないさま。事実であるという根拠がないさま。▽「根」は根拠の意。
じょこうあいし【女工哀史】
細井和喜蔵の記録文学。大正14年(1925)刊。紡績工場に働く女工の過酷な労働条件と虐待の実態を描いたもの。