うんえんひどう【雲煙飛動】
①書・画・文章などの筆の勢いが、ひきしまって力強いこと。②色の鮮やかなこと。③山水画のすばらしいさま。
きこくしゅうしゅう【鬼哭啾啾】
悲惨な死に方をした者の浮かばれない亡霊の泣き声が、恨めしげに響くさま。転じてものすごい気配が漂い迫りくるさま。▽「鬼哭」は浮かばれない霊魂が声を上げて泣き悲しむこと。「啾啾」はしくしくと泣く声の形容。
だんかんれいぼく【断簡零墨】
ちょっとした書き物や、きれぎれになった書き物。文書の断片。▽「断簡」はきれぎれになってしまった文書。「零墨」は一滴の墨のことで墨跡の断片の意。
てっぷのきゅう【轍鮒之急】
差し迫った危急や困難のたとえ。車の通った跡のくぼみにたまった水の中で、苦しみあえいでいる鮒ふなの意から。▽「轍」は車が通った後に残った車輪の跡、わだちのこと。
てんいむほう【天衣無縫】
物事に技巧などの形跡がなく自然なさま。天人・天女の衣には縫い目がまったくないことから、文章や詩歌がわざとらしくなく、自然に作られていて巧みなこと。また、人柄が飾り気がなく、純真で無邪気なさま、天真爛漫らんまんなことをいう。また、物事が完全無欠である形容にも用いられることがある。▽「天衣」は天人・天女の着物。「無縫」は着物に縫い目のないこと。「無縫天衣むほうてんい」ともいう。
らっかろうぜき【落花狼藉】
物が散乱すること。また、女性に乱暴な行為に及ぶこと。▽「落花」は花が散って地面に落ちたもの。「狼藉」は無秩序に散らかったさま。おおかみが寝た跡は草が乱れていることから生まれた語。花びらが乱れ散った様子をいう。また、花を女性に見立てて、女性に乱暴をはたらく意をも表す。