たしせいせい【多士済済】
すぐれた人物が数多くいること。また、そのさま。▽「多士」は多くのすぐれた人材の意。「済済」は数が多くて盛んな様子。「済済多士せいせいたし」ともいう。「済済」は「さいさい」とも読む。
たじょうたこん【多情多恨】
感じやすい気持ちをもっているために、恨みや悔い、悲しみに思うようなことも多いこと。また、そのさま。▽「恨」はうらむ、憎む意。「多恨多情たこんたじょう」ともいう。
たんかつせんけつ【短褐穿結】
貧しい人や卑しい人の着る衣服。貧者の粗末な姿の形容。▽「短褐」は短い荒布でできた着物。「穿結」は破れていたり、結び合わせてあったりすること。
たんしょてっけい【丹書鉄契】
天子が功臣に与えた、鉄に朱で書いた誓文せいもんのこと。▽「丹」はあか、深いあかいろ。「鉄契」は功臣に賜る鉄製の割り符。これに消えないように朱で書いて功臣に与え、本人やその子孫が罪を犯したとき、減免される証あかしとなった。
だいどうしょうい【大同小異】
だいたいは同じだが、細かい点に違いのあること。似たりよったり。大差のないこと。▽「大同」はだいたい同じであること。「小異」はごくわずかな違いの意。
だんいほうしょく【暖衣飽食】
衣食に何の不足もない生活のこと。ぜいたくな生活をすること。▽「暖衣」は暖かい衣服、「飽食」は十分な食料のこと。「暖」は「煖」とも書く。「飽食暖衣ほうしょくだんい」ともいう。
だんぺんざんかん【断編残簡】
一部が欠けて不完全な書き物。▽「断編」はきれぎれの文章。「簡」は竹の札で、古くはこれに文章を書き付けていたことから書物のこと。
ちゅうつうがいちょく【中通外直】
君子の心が広く、その行いはまっすぐなこと。▽「中通」は中に穴があいているさま。心に邪心のないたとえ。「外直」は外形がまっすぐなこと。ともに蓮はすの茎の形容。「中なか通つうじ外そと直なおし」と訓読する。
ちょうしんぼそ【朝秦暮楚】
ふらふらして住所が定まらず、流浪するたとえ。朝には中国の西部にある秦にいて、暮れには南部にある楚にいるということから。また、朝には秦国に頼り、暮れには楚国に頼るという、主義・主張が一定でないたとえの意味に使われることもある。▽「暮楚朝秦ぼそちょうしん」ともいう。
ちょうじんきゅうぞう【鳥尽弓蔵】
目的が達せられた後には、それまで重用されていた者が捨てられるということのたとえ。鳥を射尽くしてしまうと、不必要となった弓がしまわれてしまうという意から。▽一般に「鳥とり尽つき弓ゆみ蔵おさめらる」と訓読を用いる。