じんしょうてきく【尋章摘句】
つまらない些細ささいなことばかりにこだわって、広く全体を見通した、ものの見方ができないたとえ。▽「尋章」は文の一節のことを考えること。「摘句」は句を取り出す、重要な句を選び出すこと。文章や詩の一章一句の細かな部分に気をとられ、全体の意味や趣旨が理解できないという意から。「章しょうを尋たずね句くを摘つむ」と訓読する。
せんしゃくていしょう【浅酌低唱】
ほどよく酒を味わい飲みながら、小声で詩歌を口ずさんで楽しむこと。▽「浅酌」はほどよく酒を飲むこと。「低唱」は小さい声で歌うこと。
せんぷうどうこつ【仙風道骨】
凡人とはまるで違う、世俗を超越したすぐれた人の容貌ようぼうの形容。仙人や道士の風采ふうさい資質の意から。▽「仙風」は仙人の風采ふうさい、「道骨」は道を体得した者の容貌。「骨」は骨相・姿かたち・資質のこと。
そうかいのいちぞく【滄海一粟】
広大な宇宙に比べて、人間の存在は小さく、その一生などはかないものであるということ。また、比較にならないほどきわめて小さいこと。海原に浮かんだ一粒の粟あわの意から。
そうかくのよしみ【総角之好】
幼なじみとの付き合いのこと。小さい子どもの時分からの長く親しい交際。
そうりんいっし【巣林一枝】
小さい家に満足すること。分相応の暮らしに満足すること。不必要に他の物まで求めようとせず、分相応を守るたとえ。鳥は木のたくさんある林に巣を作っても、自分で使うのは一本の枝だけであるという意から。▽「巣林」は林に巣を作ること。「一枝巣林いっしそうりん」ともいう。
たいざんめいどう【大山鳴動】
騒ぎだけ大きくて、結果は意外に小さいことのたとえ。▽ふつう「大山鳴動して鼠ねずみ一匹」として使われる。「大」は「太」「泰」とも書く。
たしせいせい【多士済済】
すぐれた人物が数多くいること。また、そのさま。▽「多士」は多くのすぐれた人材の意。「済済」は数が多くて盛んな様子。「済済多士せいせいたし」ともいう。「済済」は「さいさい」とも読む。
ちょうちょうなんなん【喋喋喃喃】
男女がむつまじげに語り合うさま。また、小さい声で親しそうに語り合うさま。▽「喋喋」は口数の多いさま。「喃喃」は小声でしゃべる意。「喃喃喋喋なんなんちょうちょう」ともいう。
ていしょうびぎん【低唱微吟】
しんみりと、低く小さい声で詩歌をうたうこと。▽「低唱」は低い声でうたうこと。「微吟」も小声で詩歌などをうたうことで、同じような語を重ねて、意味を強調した言葉。