ふしそうでん【父子相伝】
学問や技芸などの奥義を、父から子だけに伝えていくこと。▽「相伝」は代々伝えること。
へいそうせんきん【弊帚千金】
自分の短所が分からないたとえ。また、自分のものならどんなにつまらないものでも、宝物のように思えるたとえ。自分のものだけをよいと思うたとえ。▽「弊帚」は破れてぼろぼろになったほうき。「千金」は貴重なことの形容。大したことのない自分のものを貴重と思う意。「弊」は「敝」とも書く。また、「千金弊帚せんきんへいそう」ともいう。
へんげんせつごく【片言折獄】
ただ一言で人々の納得のいくような裁判の判決を下すこと。また、一方だけの言い分を信じて、裁判の判決を下すこと。▽「片言」は一言での意。また、後者の意のときは、一方だけの言い分の意。「折」は「断」と同義で、善悪を折中して判決を下すこと。「獄」は訴訟のこと。「片言へんげん獄ごくを折さだむ」と訓読する。
ほうしょくしゅうじつ【飽食終日】
一日中、腹一杯食べて、何もせずに日を過ごすこと。食うだけで一日をむなしく終えてしまうこと。▽「飽食」は飽きるほど食べること。「終日」は一日中。朝から晩まで。
ほんやがくもん【本屋学問】
書名だけは知っているが、その内容が身についていない、うわべだけの学問。外題(げだい)学問。
ぼうぶんせいぎ【望文生義】
文字の字面を見ただけで意味を深く考えず、前後の文章から見当をつけて、文章や語句の意味を勝手に解釈すること。▽「文」は文字・字面。「義」は意味。「文ぶんを望のぞみて義ぎを生しょうず」と訓読する。
みっかてんか【三日天下】
権力を握っている期間が、きわめて短いことの形容。戦国時代、明智光秀が本能寺で織田信長を討って天下をとったが、十数日で豊臣秀吉に討たれたことから。▽「三日」はごく短い期間のこと。「天」は「でん」とも読む。
むげいたいしょく【無芸大食】
特技や取り柄がないにもかかわらず、食べることだけは人並みであること。また、そのような人をさげすんでいう語。自分のことを謙遜けんそんしていう場合にも用いられる。▽「無芸」は芸や特技を何も身につけていないこと。「大食」はたくさん食べる人。大食い。
むにむさん【無二無三】
ただ一つしかなく、それに代わるものがないこと。転じて、一つの物事に心を傾けてそれに打ち込むさま。▽もと仏教語。仏になる道は一乗だけで、ほかに道はないという意から。「三」は「ざん」とも読む。
めいそんじつぼう【名存実亡】
名前だけが残って、実質がなくなること。▽「名な存そんし実じつ亡ほろぶ」と訓読する。