はくしさいしゅう【博施済衆】
広く人民に恩恵を与え、民衆を苦しみから救済すること。為政者の心得。▽「博施」は広く人民に恩恵を施すこと。「済」は救う、助ける意。「衆」は人々。多くの人。「博ひろく施ほどこして衆しゅうを済すくう」と訓読する。
はちくのいきおい【破竹之勢】
竹が割れるように、さえぎりようのないほど勢いが盛んなさま。また物事が勢いよく順調に進むさま。戦いなどに次々と勝ち進むさま。
はっぷんぼうしょく【発憤忘食】
心を奮い起こして、食事をとるのも忘れるほどに励むこと。▽「発憤」は心を奮い立たせること。「発憤はっぷんして食しょくを忘わする」と訓読する。「憤」は「奮」とも書く。
はんぷくほうまん【帆腹飽満】
舟の帆ほが風をいっぱいに含んで膨らんでいるさま。舟が帆いっぱいに風を含んで軽快に進む様子をいう。▽「帆腹」は舟の帆。「飽満」は飽きるほど満腹に食べる意で、ここでは帆に風をいっぱい含むさま。
ばつざんがいせい【抜山蓋世】
山を引き抜くほどの強大な力と、世を覆い尽くすほどの気力があること。威勢がきわめて盛んなさま。もとは漢の劉邦りゅうほうと天下を争った楚その項羽こううが、寵愛ちょうあいの虞美人ぐびじんと最後の酒宴を催した折に、自分の盛んな力量と意気をいった語。▽「抜山」は山を引き抜くこと。「蓋世」は世を覆う、世を圧倒すること。「力は山を抜き、気は世を蓋おおう」の略。「山やまを抜ぬき世よを蓋おおう」と訓読する。
ばんぷふとう【万夫不当】
多くの人が立ち向かってもかなわないほどの剛強な人の形容。▽「万夫」は多くの人、無数の人。「当」はあたる、敵対する意。「不当」は相手にならない、かなわないこと。「万夫ばんぷ当あたらず」と訓読する。李白りはくの「蜀道難しょくどうなん」に「一夫関に当れば、万夫開く莫なし」とあるのは有名。
ひじょうのこと【非常之事】
並一通りではない事業。通常ではありえないほどのこと。
ひろうこんぱい【疲労困憊】
疲れきってしまうこと。▽「困憊」はすっかり疲れきること。疲れて弱りきること。
ふきゅうふめつ【不朽不滅】
永久に朽ち滅びることがないこと。▽「朽滅きゅうめつ」(朽ち滅びる)の語それぞれに「不」を添えた言葉。
ふぐたいてん【不倶戴天】
同じ天の下には一緒にはいない、同じ天の下には生かしておかない意で、それほど恨みや憎しみの深いこと。もとは父の仇かたきを言った。▽「倶ともには天てんを戴いただかず」と訓読する。