ばつざん-がいせい【抜山蓋世】
山を引き抜くほどの強大な力と、世を覆い尽くすほどの気力があること。威勢がきわめて盛んなさま。もとは漢の劉邦りゅうほうと天下を争った楚その項羽こううが、寵愛ちょうあいの虞美人ぐびじんと最後の酒宴を催した折に、自分の盛んな力量と意気をいった語。▽「抜山」は山を引き抜くこと。「蓋世」は世を覆う、世を圧倒すること。「力は山を抜き、気は世を蓋おおう」の略。「山やまを抜ぬき世よを蓋おおう」と訓読する。
- 出典
- 『史記しき』項羽紀こううき
- 句例
- 抜山蓋世の意気込み
- 用例
- 抜山蓋世の雄、此ここに坐して身を亡ぼし国を喪うしない、繍口錦心しゅうこうきんしんの士、茲これに因よりて節を敗り名を堕おとす、<幸田露伴・対髑髏>
- 類語
- 抜山倒河ばつざんとうか 抜山倒海ばつざんとうかい 抜山翻海ばつざんほんかい