かんのうとち【肝脳塗地】
むごたらしい死にざまや殺され方のこと。また、忠誠を誓って、どんな犠牲も惜しまないことのたとえ。死者の腹から内臓が飛び出し、頭が割られて脳味噌のうみそが出て泥まみれになっているさま。死者の肝臓や脳が泥まみれになっている意から。▽「肝脳」は肝臓と脳髄。「塗地」は土まみれになること。また転じて、戦いに負けるさま。「塗」はまみれる意。一般に「肝脳かんのう地ちに塗まみる」と訓読を用いる。
ごぞうろっぷ【五臓六腑】
はらわた。内臓。からだの中すべて。また、腹の中。心の中。五つの内臓と六つのはらわたの意。▽もと漢方の語。「五臓」は心臓・肺臓・脾臓ひぞう肝臓・腎臓じんぞう。転じて、全身の意。「六腑」は大腸・小腸・胃・胆・膀胱ぼうこう三焦さんしょう。三焦は胃の上(上焦)、胃の中(中焦)、膀胱の上(下焦)で消化や排泄はいせつをつかさどる。古い典籍では「臓」は「蔵」、「腑」は「府」と書かれることもある。
しんぷくのしつ【心腹之疾】
心臓や内臓に起こる治りにくい病気のこと。転じて、とり除くことや、打ち破ることが難しい敵や障害のこと。
てっしんせきちょう【鉄心石腸】
意志が鉄や石のように堅くて、容易には動かせないこと。強く堅い精神や意志のたとえ。▽「心」「腸」は心臓や腸などの内臓で、心や意志のたとえ。