かんたんのほ【邯鄲之歩】
本来の自分を忘れて、やたらと他人の真似をしたため、両方ともうまくいかなくなってしまうことのたとえ。
かんふようはつ【間不容髪】
すぐにということ。非常に差し迫ったさま。髪の毛一本も容いれられないほど事と事の間にすきまがないこと。▽一般に「間かん、髪はつを容いれず」と訓読を用いる。
けいせいけいこく【傾城傾国】
絶世の美女のたとえ。また、日本では遊女のこと。
けんわんちょくひつ【懸腕直筆】
筆を垂直に持ち、腕や肘ひじを机から離してあげ、さらに肘を脇わきから離して字を書くこと。書道の運筆で腕が自由に動かせる構え方。▽「懸」はかかげる意。宙に浮かせること。「直筆」は筆を垂直に立てて書くこと。
げんぶんいっち【言文一致】
日常用いている話し言葉によって文章を書くこと。また、特に明治時代を中心に行われた文体の改革運動をいう。明治初期に文学界では二葉亭四迷ふたばていしめい、山田美妙やまだびみょう、尾崎紅葉らが小説に試み、明治末期以降に確立した。▽「言文」は話し言葉と書き言葉。口語と文語の意。
こうざんりゅうすい【高山流水】
すぐれて巧みな音楽、絶妙な演奏のたとえ。また、自分を理解してくれる真の友人のたとえ。清らかな自然の意に用いられることもある。▽「流水高山りゅうすいこうざん」ともいう。
さんこうごじょう【三綱五常】
儒教で、人として常に踏み行い、重んずべき道のこと。▽「三綱」は君臣・父子・夫婦の間の道徳。「五常」は仁・義・礼・智ち信の五つの道義。
じつじきゅうぜ【実事求是】
事実の実証に基づいて、物事の真理を追求すること。中国清朝しんちょうの考証学の学風。▽「実事」は実際のこと。本当のこと。「求是」は誠・真理を窮め求めること。「事ことを実じつにして是ぜを求もとむ」と訓読する。
ねんこうかほう【年功加俸】
年功の度合いによって給付される、本俸以外の俸給のこと。
はいぶつきしゃく【廃仏毀釈】
仏教排斥のための運動のこと。仏法を廃し、釈迦しゃかの教えを放棄する意。▽「釈」は釈迦のこと。「毀」は壊す、悪口をいう意。中国では南北朝時代から宋そう代の直前までに起こった四回の廃仏令「三武一宗の法難」、日本では明治政府の神仏分離令に基づく寺社排斥運動が有名。「仏ほとけを廃はいして釈しゃくを毀そしる」と訓読する。「排仏棄釈」とも書く。