あびきょうかん【阿鼻叫喚】
非常な辛苦の中で号泣し、救いを求めるさま。非常に悲惨でむごたらしいさま。地獄に落ちた亡者が、責め苦に堪えられずに大声で泣きわめくような状況の意から。▽「阿鼻」は仏教で説く八熱地獄の無間むけん地獄。現世で父母を殺すなど最悪の大罪を犯した者が落ちて、猛火に身を焼かれる地獄。「叫喚」は泣き叫ぶこと。一説に八熱地獄の一つの大叫喚地獄(釜かまゆでの地獄)の意。
きゅうていたいりょ【九鼎大呂】
貴重な物や重要な地位や名声などのたとえ。▽「九鼎」は夏王朝の開祖禹王うおうが九つの州(中国全土)から献上させた銅で作った鼎かなえ。それ以来、天子の宝・象徴として伝えられた。「鼎」は三本足の釜かま。いけにえの調理具として、また祭器として用いられた。「大呂」は周王朝の大廟たいびょうに供えた大きな鐘のこと。ともにこのうえなく貴重なもののたとえ。
さんぷのよう【三釜之養】
薄給の身であっても、喜んで親を養い、孝行すること。「三釜の養をなす」という形で使われる。
はふちんせん【破釜沈船】
決死の覚悟で出陣すること。生きて帰らない決意を示すこと。出陣のとき、飯を炊く釜かまを打ち壊し、船を沈めて退路を断つ意から。▽「釜かまを破やぶり船ふねを沈しずむ」と訓読する。