いんしょうしつだい【因小失大】
小さな利益にこだわり、かえって大きな損失を招くこと。▽「小しょうに因よりて大だいを失うしなう」と訓読する。
がんぶつそうし【玩物喪志】
無用なものを過度に愛玩して、本来の志を見失ってしまう意で、枝葉末節なことにこだわり、真に学ぶべきことや学問の本質を見失うこと。また、自分の好みで、珍しいものなどを過度に愛好して正しい心を失うこと。▽「玩」はもてあそぶ、むさぼる意。「喪」は失う意。「物ものを玩もてあそべば志こころざしを喪うしなう」と訓読する。
すいとうそうき【垂頭喪気】
元気をなくしてしょげかえり、がっかりすること。▽「垂頭」は頭を低くたれること。「喪気」は元気がなくなること。「頭かしらを垂たれ気きを喪うしなう」と訓読する。
たいきょうしっしょく【大驚失色】
非常に驚き恐れて、顔色が青ざめること。▽「大驚」はたいへん驚く意。驚愕きょうがくすること。「失色」は顔色を失う、顔色が青ざめること。「大おおいに驚おどろきて色いろを失うしなう」と訓読する。
たきぼうよう【多岐亡羊】
枝道が多いため逃げた羊を見失うように、どれを選んだらよいのか思案にあまることのたとえ。道を求める者が末節にこだわり、真理に到達し難いこと。学問の道があまりに細分化しすぎ、真理が見失われがちになるたとえ。▽「岐」は枝道・分かれ道。「亡」は逃げる意。「岐き多おおくして羊ひつじを亡うしなう」と訓読する。
たくらくしつろ【拓落失路】
十分な地位を得られず、出世の道が絶たれること。▽「拓落」は役人などが落ちぶれるさま、不遇なさま。「失路」は出世の道を失うこと。「拓落たくらくして路みちを失うしなう」と訓読する。
たぞうこうぼう【多蔵厚亡】
財物をたくさん貯えることは、必ず巨大な損失につながる意。欲が深いと人間関係が駄目になって、やがては財物ばかりかすべてを失ってしまうというたとえ。▽「多蔵」はたくさん貯えること。「厚亡」は損失が大きい意。一般に「多おおく蔵ぞうすれば厚あつく亡うしなう」と訓読を用いる。
どくしょぼうよう【読書亡羊】
羊の放牧中、本を読んでいて番を怠けたため、羊に逃げられてしまった意。転じて、他のことに気をとられて、肝心な仕事をおろそかにすることのたとえ。▽「書しょを読よみて羊ひつじを亡うしなう」と訓読する。
ぶんぷうそうたん【聞風喪胆】
評判やうわさを聞いて、びっくりして肝をつぶすこと。ひどく恐れることの形容。▽「風」は風の音。また、うわさ。「喪胆」は胆を失う、びっくりすること。「風ふうを聞ききて胆きもを喪うしなう」と訓読する。