1 草木が、水分などがなくなり、生命を保つことができなくなる。花や葉が変色したり、落ちたりする。「作物が―・れる」「葉が―・れる」
2 張りやみずみずしさがなくなる。本来の勢いがなくなる。「やせても―・れても」
3 人物や技術が練れて、深みが増す。円熟して、落ち着いた深い味わいが出てくる。「芸が―・れる」「―・れた人柄」
4 技術や製品などが、その登場から十分な時間が経ち、すでに問題点が出尽くし、解決も済んでいる。最先端のものではないが、不測の事態が発生しにくく、安定して動作することを意味する。「―・れた技術」
5 動物が死んで干からびる。
「葉のさま、花も、虫などの―・れたるに似て」〈枕・四〇〉
6 膿 (うみ) が出て、おできの表面が乾く。
「督 (かん) の殿の御瘡―・れさせ給ひつれど」〈栄花・峰の月〉
7 滅んでしまう。
「其人の徳にてらされて―・れぬ名をとどめしもあるに」〈鶉衣・蓼花巷記〉
1 池・川・井戸などの、水がほとんどなくなる。水けがなくなり、乾いた状態になる。干上がる。「泉が―・れる」「涙が―・れる」
2 湿り気がなくなり、乾燥する。「よく―・れた木材」
3 感じたり考えたりする力が減って、出なくなる。また、必要なものが不足がちになる。枯渇する。「詩嚢 (しのう) が―・れる」「愛情が―・れる」「資金が―・れる」
出典:青空文庫
・・・一本の木の枯れることは極めて区々たる問題に過ぎない。無数の種子を宿・・・ 芥川竜之介「侏儒の言葉 」
・・・なると街道に出て声の嗄れるまで吠えた。さて草臥れば、別荘の側へ帰っ・・・ 著:アンドレーエフレオニード・ニコラーエヴィチ 訳:森鴎外「犬 」
・・・うとする時は、きっと涸れるのだからと、またしても口金をしめておいた・・・ 泉鏡花「眉かくしの霊 」